罔兩庵日乗 mouryouan’s diary

私的思索散話妄言覚書

役小角,泰澄,空海 修験雑記 ,,20191031

役小角,泰澄,空海 修験雑記 ,,20191031
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(白山2017)
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小生が自らの宗教心の為に興味のある、日本の宗教は修験と古い民俗信仰だ。
整った仏教や神道は、学問的知的な興味はあるがそれだけだ。

日本と日本人に固有な信仰心はまず山岳信仰で、それは即ち修験道と云うことになる。

日本は海にかこまれてもいるが、何故か海の信仰と云うものは発達しなかったようだ。
住吉も宗像もメソポタミヤのオリオン信仰の受け売りみたいだし、蛭子(漂着死体)信仰もごくマイナーなもので日本人の精神にはほとんど影響を与えていない。
海洋民のはずのアズミの一族も内陸に定住したがる。
これだけ山を歩く人が多いのに、ボートやヨットは然程盛んではない。 
だいたい観光のことを、物見遊山と呼ぶ。
はるか太平洋や日本海を渡ってきたはずなのにやや怪訝だ。
ま、何故か?の考察はまたにして修験だ。

修験、山伏。野伏山伏、山岳深く修行をして人並みならぬ能力を身に付け奇跡(験)を顕す。よって、山伏にして修験者。
医薬がほとんどなかった一般ピープルには神様と修験者以外に頼るものはなかった。
山伏は主として今の町医者薬局の役割をしていた。
立山修験はもとは経帷子(埋葬の際着せる服)を売ったらしいが同時に置き薬越中売薬を置き、反魂丹を売った。木曾の行者は百草丸を売る。
熊野修験から買った熊野誓紙(牛王符)で遊女が起証文(愛の約束♥勿論客をダマス為、約束破ると地獄に落ちる)を書いたのはやや時代が下がって山伏の信用も落ちてきたからだろう。

まずは元祖、役小角,泰澄,空海の三人だ。
残念ながら、立山修験や羽黒修験、天台系の修験にはこれほどはっきりした元祖にして立役者はいない。

活躍した時期は、役行者が7世紀全般、泰澄が7世紀末から8世紀前半、空海が8世紀後半から9世紀中頃までと、うまく重ならずに時代をカバーしている。

さて、ご三方、今回は軽く紹介まで。

⭕役エン小角 エンのオヅヌ(オヅノでも可)、と読む。
これは、日本人の常識。99%が知らなくても、常識は常識。文化は多数決ではない。

彼だけは中心部の出身、初代(神武から9代まで)天皇家葛城族系統のシャーマンの家柄のようで、母は狐使いかも?とか。
仏教は勿論入ってきていたけれど、その宗教理論や哲学が理解されていたとは思えず、だからこそ南都六宗の道場(奈良にある仏教の6つの代表的理論の研究施設)が整備されたのだろう。

彼の行動にあまり仏教的なところはない。
伝記に竜樹とか、釈迦、観音とかでてくるが別に教えをたれたわけでもないし、帰依したわけでもないようだ。
挙げ句に蔵王権現なんて「日本にしか存在しない神様」(これを異神と云う)、つまり彼の創作らしき神様が湧いて出て来て、それをメインで祀っている。

蔵王って、山そのまんまじゃない(笑)
クラはイワグラで岩山のこと。だと思う。
御座オグラ山、オオクラ山、マナイタグラ等山名ではよく見かける。

後に修験が仏教に組み込まれた故に、その創始者の彼が仏教のウバソクと云うことにされてしまっただけだろうか。
確かに、孔雀明王経とかならったりもしてるみたいだけど、グモンジ法同様これはバラモン教系統の超能力開発ツールでしょ、きっと。
仏陀のオシエとはなーんの関係も無い。

現実のモデルはいただろうが、複数の業績伝記が混ざったものに空想創作が尾鰭ヒレ)をつけたとか……そんなところだろう。
いまいちよくわからない。

このひと、山歩きの折りには山の中に突然出てきてびっくりする。一番良く像を見たり、事跡を聞いたりする御方だ。
近くは、奥武蔵スカイラインから少し外れた大平山の上に頭の無いでっかい座像があったが、どうなっているだろう?……カンケイナイ

空海クウカイ)は、真言密教、つまり空海教の創始者
弘法大師。お大師さま。

太子と書いたら、聖徳太子
読みは同じ。タイシ様、タイシ信仰、タイシ堂はどちらにもあるし、どちらも修験や山の民、金属鉱脈と関係深いから間違えないように御注意を。
ただし、聖徳太子民間信仰メインで、太子をまつった寺はごく少ない。弘法大師をまつった寺は、山から都会まで、成田山川崎大師……どこにでもある。

さて、空海。このひとの場合は著作も記録も多すぎて手におえない。
彼自信が超能力者、控えめに言って異能者だろう。
グモンジ法って見たもの全て記憶、人間ドライブレコーダー。あれ、超能力ですよ。
なんで、みんなハッキリ言わないんだろう。
じゃなきゃ、ぺてん師ってことになるでしょ。
でもそれは、ちょっと考えられない。実際すごいことやってるんだから。全く、ありえへんことばかり。
……
真言密教は仏教と云うことにはなっているが、内実はバラモン教と日本の宗教(修験等)と大乗に仙術道教もミクスチャーして独特。
顕密と云う発明は巧妙だが、仏教としたらかなりの異端。ゴーダマの教えからおもいっきり遠い。

山師つまり鉱山を見つける人や鉱山技術者のネットワークを駆使して金と情報を手に入れ、それをうまく使って自費で!中国に渡って(最澄は公費)、やりたいことやって密教印可までもらって、勝手に早々帰ってきて(本当はダメ)……書くことありすぎ……以下略

立川流は例外として、真言宗自体や空海タントリズムの匂いはしない。だから妙に秘教化してセクト化したりして弾圧の対象となって消えてしまわなかったのではないか?ならば流石サスガ)也。
……そう言う異端化、セクト化は天台に多いように思える。そこが、比叡山の懐の広さ(深さ?)でもあるが……
天台の異端宗派だけ調べてもかなりメチャクチャでオモローだ。
妖怪みたいな異神とか、ホモエロタントリズムも、回峰行だって、かなりヤバイよ。
あれって、どこが天台仏教なの?、シコブチ明神(河童神?)を祀る、相応(創始者)教とでも云うべきかなり変テコな修験だよね。麻薬使わないで走ってラリる修行??元祖トレラン教……ハナシガソレタ

⭕さて、泰澄タイチョウ。本日のメインイベント。

このひとは微妙。特にわからん。
まず、越前の人。と云うことは、狄の系なのか?
「越の白山」開山の祖。
因みに加賀の白山と言うのは、江戸時代以降。
そもそも加賀国能登国越中国に含まれていたしね。

神仏シュウ合の元祖と云われてる人。
……
一応、彼が思い付いたのは、本地スイジャク説。
仏教の神(菩薩)が、本地(日本)を教化?するために本地の神に身を変えて降りてきた、スイジャクした。
……
ま、素朴に疑問はある。……原住民ビビらすなら、最初からありがたい菩薩の姿の方が有利じゃない?……もともといた神になりかわったのなら、もともとの神さんはどうしちゃったの?殺したの?……
……
ここは、白洲さんの説に従い。
「それは仏教の方からいうことで、日本人本来の心情からいえば、逆に神が仏にのりうつって影向ヨウゴウ)したと解すべきだろう。」(かくれ里p290)がグー👍

つまり、十一面観音は抑圧されたククリ姫。
白山に投影された白き女体。昇華されたエロス。

因みに、変形観音、十一面とか千手観音とか本尊の寺はたいてい白山と、即ちタイチョウと関わりがある。ミタイナ…

実は、これは後世の逆本地スイジャク説と殆ホトン)ど同じことだ。
だから、神仏シュウ合は、最初から倒錯した原始宗教で、
「本地スイジャク説と勘違いした、無意識の逆本地スイジャク説」だったわけだ。 

⭕謎の臥行者
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(2018年04月能登島 臥行者の母の碑)

泰澄に関しては、浄定行者と臥フセノ)行者と云う二人が必ずついてまわるが、
➡実はこの臥行者はある種の予知能力(例えば気象とか死期の予知)とかテレキネシス(鉢を飛ばすとか)を持った超能力者だと思う。
タイチョウの行った奇跡はすべて臥行者が行っていると思う。
例の天皇の病気も行者が治したか、治るのを予知したかだろう。
実は、能登島に臥行者の跡を調べにいったことがある。
母親はあきらかにシャーマンの一族だ。
母の方の塚があったな。
能登島は昔大和朝廷(スジン天皇あたり?)の日本海側最大の軍港で率いていたのは半島系の海軍だが、それとも無関係ではないだろう。
晴明の式神とか、役行者の前鬼後鬼とか、この手の在野の超能力修験者だったのではないかなぁ?
本来の修験は本当に超能力を身に付けていたのではないかなぁ?
とかね、。
ま、いろいろおもしろいわけですよ。。。詳しくはいずれ   ……コレバッカ,ホントカネ~……

蛇足
実際、白山は登るとマジ、エロい。夢幻の異世界
花の種類は小生の登った中では随一。どこも、みずみずしく青々としている。
……立山は見てもだけど、登っても男性的、どっちかと云うと地獄かつ仙境……木曾御岳は地獄極楽入り交り妖気も漂うまた独特な感じ……

本邦に修験興るは必然の感強し。

以上