罔兩庵日乗 mouryouan’s diary

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物価の比較-1- 旅人の視点と階級社会 【雑】

物価の比較-1- 旅人の視点と階級社会 【雑】

断腸亭日乗に出てくる価格を当時の人の感覚で知りたいと物価を比較するために物価指数で換算していると、どうもおかしな事に気が付いた。

⭕物価指数で換算すると、1円が大雑把に約1000円 となる。(↓注記;物価指数で比較)

しかし、これで計算すると、庶民の所得がとても少ないことになる。(↓注記;所得の比較)

所得は、教師初任月給50円 日雇い1.6円  家政婦一日1円で雇える(紹介所に抜かれるから本人はもっと少ない)
 (↓欄外注記;所得の比較など参照)
物価を基準にした1円=1000から換算すると、日雇いの最低賃金日給1.6円は1600円にあたる!今の国民年金以下だ……。

一日働いて、1600円(現在の価値で)のものしか買えないのでは、
生きるのはかなり厳しい。ように思われる……
これは実情に合っているのか?

しかし、これは現在の消費生活レベルで考えるからで、
電話もガスも電気もない、冷蔵庫も無いし、肉も魚もほとんど食べない、菓子も時々しか食べない、車どころか自転車すらない、衣類は最低限、家にはフロもない、、、……要するにそもそも物がない。ほとんどの人は今では考えられないくらいとても質素。
↓↓
みんなが、そのように暮らしている。
そもそも、無いものは、無いと云うこと自体が思い付きもしないから、ストレスにはならない。
↓↓
つまり、消費がものすごく小さいから、所得も少なくても生きていけた。
↓↓
だから、妥当な換算である。以上。

と、言っていいのか?

では、別の方向から考えてみる。
⭕賃金を基準に貨幣価値を比較してみる。

最低賃金1.6円なら時給20銭
現在の最低時給800円で、当時も今も貧民は貧民、と考えると、最低賃金は同じでしょ
20銭≒800円 依って、
1円≒4000円  となる。
先程、物価指数から換算すると
1円≒1000円  となっていた。ずいぶん違う。

そうすると、現実には当時の物価は今の4倍と云うことになるのだろうか?

これをどうかんがえたらいいのだろう?

いったい、何と何をどう比較しているのか?何を知りたかったのか?全然わからなくなってきた。???

 ? ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ? ?

⭕旅人の視点

考えてみると、これは、
日本で稼いだ金をもって、発展途上国に旅行に行くこととにているではないか。!

つまり、物価指数で過去の生活を見るのは、旅人の視点で、過去を見ているのと同じだ。

物価指数と所得の換算の比率は4倍も違う。
物価指数での換算1000 : 所得での算4000
この、4倍というのが、大正と平成の タイムトラベラーの換金レートなのか😵。 

1000平成・円を換金すると、4大正・円もらえる。
この4大正円は、じつは4000平成・円分の価値がある。

で、だから何なのよ?それに何の意味があるのか?
なんか変だ。

⭕現地の生活者の視点

そもそも、何の為に物価を比較したかったのか?
当時生きていた人の生活実感を推測して、感情移入したいからだ。少なくともワタクシは。

ならば、私が大金持ちか貴族でもないなら、
当時の庶民と同じ感覚で、消費と生活実感を感じるように想定しなくては意味がないではないか?

東南アジアへの旅行計画を立てているんじゃないのだから。
東南アジアで生きるとはどうことか?現地の人の気持ちが知りたかったのではないのか?

ならば、単純に所得を基準にした金の換算。つまり

現在の4000円が、当時の1円にあたる。
と、考えて感情移入するのが妥当なのではないか?

何故なら、現在のワタクシは、庶民の中の庶民。
筋金入りの貧乏人、であるから。

🔴永井荷風、とは違う。💡あっ!そこだ!

⭕貴族上流階級の視点 、貧富の差昔と今

そうだ!
荷風先生は大金持ちなのだ。庶民ではない。
だから、おかしな事になったのだ。
 
最初から、何か変だったのは、感情移入先が二重になっていたからなのだ。
その時々で、ボタンをかけ違えていたから、お金の換算がシックリいったり、いかなかったりしたのだ。

当時は、階級社会だったのだ。

牛込いったいに土地を持っていて、遊んで暮らしている
荷風先生に感情移入すること自体が間違っているのだ。

漱石みたいに最初から勤め人の世界の物語なら混乱はすくなかったのだが、荷風先生は大金持ちのくせに、芸者とばかり遊んで、下センなところに行くから混乱するんだよ。

現在の貧富の差と、この頃の階級による貧富の差はかなり質が違う。

当時は貧富の差が激しい。
持てるものはなんでも持ってるし、無いものはとことん無い。
樋口一葉なんて悲惨そのもの。本当に筍生活。紙幣のモデル料あげたい。

貧民出身の芸者からみたら、先生はいいカモに見えるかもしれない。 スリスリ❤

…………現在の貧富の差は、とりあえず生活は出来ていて、さらに同じような物も持っていて、貧富の差は、その物の差異を表現しているだけだ。

今の貧富の差は、持ってるものが、多少違うだけ。

中古軽自動車かベンツか?iPhone台湾製Androidか?高級黒毛和牛か、牛角か?オサレなバーか、缶チューハイか?ブランド品かUNIQLOか?業務スーパー成城石井か?……エトセトラエトセトラ

その程度の差、差異のための差異を表現する程度の貧富の差なのだ。

芸者や職工と、荷風先生や取り巻きとの差とは質的に全く違う。
先生のように、毎日風月堂やら八百善なんてまともではない。
女中が見つからないからと、サクッと電話を引いているが、当時300円したらしい。
家政婦を一年雇える金額だそうだ。

が、その荷風先生の目から見た世界を読んでいるわけで、謂わば感情の世界は、端から荷風先生に感情移入しているわけだ。

だから、混乱したのだ。

生活実感など必要なときは、庶民へ感情移入。いや、勘定移入か?
(洒落です。笑うところです。)

貴族金持ちへの感情移入と、庶民(芸者お手伝いさん職工街の人々)への勘定移入がゴチャゴチャになって混乱していた。

物語(日記形式だが)は作者=貴族金持ちに感情移入していて、生活実感や物価のときだけ庶民に勘定(感情だって)移入する。

だから、暫定的な結論は、
作者に感情移入するときのレートは、1≒1000円。
庶民に感情移入するときのレートは、1≒4000円。

使い分ければよい。……

一応落ちがついた。のかな?

━━━注記。各種資料、参照コンテンツ━━━━━━━
⭕所得の比較  職種別の所得分布

https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://ci.nii.ac.jp/lognavi%3Fname%3Dnels%26lang%3Den%26type%3Dpdf%26id%3DART0009921591&ved=2ahUKEwi9763Eys_dAhVM6bwKHfwZB4UQFjADegQIBhAB&usg=AOvVaw3FRKdti_MziPbDJNLsrKKy

大正14年初の国勢調査から~

職業別の所得帯、別構成比率
月所得
51~100円  職工45.4% 給与生活者16.7%
101~150  職工37.5% (ココマデ職工計82.9) 給与41.4%
151~200 給与22.8 % (ココマデ給与計80.9)

➡給与生活者の収入が、職工よりかなり高いことがわかる。
そもそもこの統計の対象家庭はそこそこ裕福な家庭だ思われる。(兀)

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⭕物価の比較  -米で比較-

大正6年米一俵=60kg 6円である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E4%BE%A1%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%81%B7

これが大正8年は平均10.8円まで上った。米騒動の七年は高騰が激しかったのだろう。
このあと、昭和11年までは10円くらいまでで推移している。そのあとはメチャクチャ……

と、まぁ10円だとしよう。
今の米価格は、60kg あたり14000~16000
これで単純に換算すると、大正七年の1円は今の1500円に当たる。
米価で比較すると、大正8年は、今の1500倍になる。

⭕物価指数で比較

大正2年と、大正15年を例にする
計算式は、2009年の企業物価指数664.6を
1913年の指数0.647と、1926年の指数1.157でそれぞれ割ってみれば、いい。
664.6÷0.647=1,027.2
664.6÷1.157=574.4

大正2年の1円は2009年の約1027倍の価値があり、大正15年の1円は現在の約574倍の価値がある。
大正期は600~1030倍と云うことになる。
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⭕所得と物価の比較

物価、給与の比較一覧表のページ

http://sirakawa.b.la9.jp/Coin/J077.htm

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⭕所得の比較 

Webよりコピペ-----

国家予算(歳出)は大正10年(1922)には14億円あまり……

⭕所得

基準になりそうな金額として、比較的変わりにくい公務員の給与と比較すると
総理大臣の月給=1,000円(大正9年
国会議員の月給=250円(大正9年
東京都知事の月給=500円(大正9年
公立小学校教師の初任給=50円(大正9年

以上