罔兩庵日乗 mouryouan’s diary

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秋蕭蕭書痴鬱鬱 【日記】

秋蕭蕭書痴鬱鬱 【日記】
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九月某日

しとしとと秋の長雨。
少しでも湿気をとばしたい、と換気扇の通奏低音
季節外れの蚊遣りの香。

図書館に行くのもけだるい。
体を使ってないので酒も欲しない。

「古代東北と王権」を読み切った。
皇化とひとくちにいっても、4世紀と8世紀とではかなり様子が変わるものだ。
藤原にも立派な役人もいれば、残忍卑怯な蝦夷の長もいる。
みんな目先(せいぜい、少し未来)の豊かさを求めている。
天子様もそれぞれ、大将軍様もそれぞれ、夷狄もそれぞれ、か。……ま、当たり前だな。

最初に読んだ日付を一番裏に書く習い。
2002年。……後厄の頃か。
少し思うところも無くはない。
体はガタガタ、孤独に成り果てたが思索の方は少しは進歩したのか……。

昨日「墨*東綺譚」を読んだ繋がりで、青空文庫でダウンロードした永井荷風を読む。

「すみだ川」も意外に私小説風でなくちゃんと落ちがあって面白かったので、青空文庫の一番上から小説を順に読んでいく。
三囲神社、待チ山……聞きなれた地域が舞台で親近感がわく。
 「畦道」「雨蕭蕭」「或夜」「一月一日」……

年代順でなく題名昇順なので、晩年に近い作品は元八幡から西船橋原木市川あたりが舞台となる。

ここらも、知らぬ土地でもない。
もう、二度と行くことも無いとは思うが……

荷風って、意外に普通なんだな。
オー・ヘンリーみたいにウイットもあり、落ちもあり、ペダンティズムもある。
もっと、漢語の羅列で、しかめ面しいのかと勝手に思っていた。

荷風にはまんざら縁が無いわけでもない。
父の存命中は、銀座の偏*奇館から届いた正月のミニチュアの門松が玄関に飾ってあったりもした。
店では、誰かにはたち前にロイヤルサリュートを飲ませてもらったような気もするし、正月の樽酒をずいぶん飲まされた気もする……
「いってらっしゃい」
バーテンさんの名前も忘れてしまった……

もう、二度と行くこともあるまい。あきんどの店だ。

ここらで、口直しに虫太郎の
「人外魔境・有尾人」

これは、なんとも荷風のあとでは酷いな。漫画だ。
ま、これも昭和レトロと云うものか。
口直しにはならんな~~


冷凍のフライドポテトとフライドチキンを揚げて、甲種のお茶割りを流し込む。
これも、ヒドイ。
独り暮らしになってから、食い物まで自堕落になってしまった。
少し前まで、揚げ物なんぞついぞしたことはなかった。しかも冷凍品にケチャップ!、イヤハヤ。

で、一眠り試みる。

向かいのマンションの一室で宴会か?若くもなく品も無い男女等の声がかしましい。 

猫も盛りで、唸る。……そのうち喧嘩しだす……
虫も鳴くし、雨も降る。
じとじと湿っぽい……

あぁ、うるさい。

今日はどこぞでしっとりしたライブがあったのだ。
昨今の自堕落に肥った格好では、とても" 永遠の歌姫 "をはじめ旧知のパリッとした善男善女にお目にはかかるのは憚られる。
もう、音楽もギターもバンドもライブハウスも遠い世界のことだ。
……それに正直、電車に乗る気力もない。

 ⭕ ⭕ ⭕

起きたらば、暗くなっていた。

さて、次は何を読もうか?

さう云えば、「続百鬼園随筆」と「第三阿房列車」が見つかった。
……やはり、今は亡き「旺文社文庫」だ。
と、云うことは第一、第二と海外編があったはずだが……「御馳走帳」(これは中公だから手に入るのかな?)は食関連の本棚にあるから、〆て6七冊は百鬼園先生(内田百間*)御遺文は我が家のどこかにいらっしゃる筈。

書痴とはこの事かな?